犯行動機の多様化
近年、明確な犯行動機がなく犯罪を行なうケースが非常に増えてきています。「なんとなく・・・」・「スリルをあじわいたいから」、といった理由の犯行動機が増えています。目的が明確ではないので、盗める物があれば盗みますが、室内にある物を手当たり次第壊したり、火をつけたりします。また近年増加が著しい犯罪として侵入強盗があります。様々な目的がある中で、目的を達成する為には手段を問わなくなってきています。
また、警察等への事件発覚に関しても、さほど気にしない傾向があります。犯人を特定出来るような情報や証拠がない場合は、警察等の捜査も難しくなるので、ほぼ検挙される事もありませんし、侵入盗等は、犯行時間が2〜5分の間で行なわれますので、警察をいち早く呼んだとしても検挙される事は期待出来ません。
※通報を受けてから警察が現場に到着する時間は、全国平均で約7分半、ちなみに警備会社の警備員が現場に到着する時間は、全国平均で約14分となっています。
価値の多様化
価値観が多様化している今日、自分には価値が無いと思っても他の人には価値がある場合が多くあります。
例えば、窃盗の目的は金品を盗むだけではありません。「盗まれる物なんてないから、お金は置いてないから大丈夫だ、」という考えでは通用しません。
・顧客情報や個人情報は、その情報を売買する市場もあれば、その情報を盗み出した事をネタに脅す材料にもなり、非常に高い価値を生み出します。また、顧客情報や個人情報は対外的には企業として一番重要な信用の失墜につながり、甚大な被害・影響を与えます。
・PC(パソコン)は、新品でなく、古い機器であっても中古市場で売買が十分に可能です。特に企業で使用しているPCは様々なデータが保存されていますので、機器の新しい古いに関係なく非常に高い価値を生み出す場合があります。PCを盗まれたり、壊されると、様々なデータが無くなってしまい、復旧可能としても作業に多大な時間が必要となったり、復旧が不可能な場合もあり、盗まれる・壊されるといった直接的な被害以上の被害が発生してしまいます。
・クレジットカードの情報などは、カード番号、カード使用者、使用者期限等の情報だけで、インターネットや通販で買い物をすることもできますし、偽造カードの作成も可能となります。
被害、リスクの多様化
金品や情報を盗まれる、強盗に遭う、火事が起きるということだけが、被害ではありません。また、侵入という外部からの不正行為だけが、被害を起こす原因という訳ではありません。
例えば、モラルの低下により会社の従業員や出入り業者が起因する事件、事故は極めて多く、それ以外にも作業、業務効率の低下や管理体制の不備による損失なども日常的に発生している、または発生し得る被害です
治安の悪化、価値の多様化、モラルの低下は、高度に文明が発達した社会の、あまり有難くない副産物ともいえます。
文明の発達で我々は、日々の生活や企業活動を行なう上で大変大きなメリットを手に入れましたが、同時に個人間だけでなく社会全体の信用や絆が低下した事により生じる様々な被害やリスクは、手に入れたメリット以上に我々に大きな影響を与えるデメリットとなっています。個人や企業が利己主義に陥り、相手を思いやったり社会全体の利益を考えるという事がおざなりになった結果、様々なリスクを抱えて生活したり、企業活動を行なわなくてはならない状況になっているわけです。
文明が高度に発達したことに伴い、今まで以上のリスクが多く存在するようになり、そのリスクは過去の経験や一般的に想定出来る範囲を超えた内容であったりもします。
今までならば事前に考慮、対応しなくても良かった事に対して、「大丈夫だろう」ではなく、「大丈夫だ」と思える根拠となる事前の対応、予防策が必要不可欠となっています。